種類による特徴
拡大読書器は持ち運びを想定していない卓上型と、自由に持ち運ぶことができる携帯型の2種類に分類されます。
(1) 卓上型
卓上型拡大読書器には、以下の共通した特徴があります。
- カメラとテーブルの間に広いスペースがある。
- 前後左右に自由に動かせるXYテーブル
- 読んでいる位置を示すためのライン、マスキング機能
- 画面の輝度、コントラスト調整機能
- ・ 1の特徴から、カメラの下には薄い印刷物だけではなく、厚い書物、ビンや缶などのラベルを拡大できる。
- ・ 1の特徴から、拡大した画面を見ながら文字を書くことができる。
- ・ 1の特徴から、拡大した画面を見ながら手を使った様々な作業ができる。
- ・ 2の特徴から、読み物を直線的にスムースに動かすことができる。動きやすさを制御するためのブレーキがついた機種もあります。
- ・ 3の機能により、視野の狭い人が読む行をたどりやすくなる。
- ・ 3の機能により、罫線のない部分に文字を書くときに曲がらずに書くことができる。
- ・ 4の機能により、コントラストの低い文字や印刷などを読みやすくすることができる。
その他のオプション機能として、以下のような機能を持つものがあります。
- 拡大される中心位置を確認できるファインディング機能
- ピントの固定機能
- PC画面の切り替え機能
- 可動式のカメラ
- ・ 拡大すると読んでいる位置が分かりにくくなりますが、5のファインディング機能を使うと映像が縮小され映し出されている現在位置を示してくれます。
- ・ 6のピントの固定機能をONにするとテーブル上にピントが固定され、文字を書くときに書いた文字にピントが固定されます。
- ・ 拡大読書器で書類を確認しながらパソコンで作業したい場合、7のPC画面の切り替え機能があると一つのモニター上に拡大読書器の映像とパソコンの映像を切り替えて映し出すことができます。
- ・ 8の機能により、カメラを遠方に向ければ遠方の映像を拡大でき、自分の側に向ければ拡大鏡(かがみ)のように使うことができます。
最近の卓上型拡大読書器はほとんどのものがHDカメラを使用しており、映像もきれいで多くの機能を持っていますが、操作性が機種ごとに異なりますので、購入の際には実物に触れて操作性を確認された上での購入をお勧めします。
(2) 携帯型
携帯型拡大読書器は画面の大きさによって分類することができます。
- 4インチ未満
- 4.3インチ
- 5インチ
- 7インチ
- 8インチ以上
- ・ 1はモニターが小さいですが、軽量で取り回しが楽なこと、価格が安いことがメリット。
- ・ 2も軽量でハンドルの付いたものもあり、取り回しが楽。1よりも高機能。
- ・ 3は読み物の上に置いた時にモニターが斜めになる、見やすさを優先した機種です。持って使いやすいようにハンドルの付いたものもあります。
- ・ 4と5は読み物の上に置いて見る際の使いやすさを追求した機種といえます。3と同様にモニターが斜めになります。
- ・ 7インチの機種は遠方の風景にピントを合わせ、拡大して見ることができます。
- ・ 7インチの機種は中距離にも対応するものがあり、手元を拡大して画面を見ながら文字を書くことも可能。
- ・ 8インチ以上のものは画面の大きさと、解像度の高い映像が特徴。
- ・ ほとんどの機種でスタンドが付属しており、カメラと紙面の間に筆記用具を入れて文字を書くことができます。ただし、卓上型と比較して書きにくく、長文を書くのではなく署名の記入程度が現実的です。
- ・ 画面を画像として写す機能や、写した画像をSDカードに保存できる機種があります。
- ・ 7インチの機種はHDMI出力端子が付いており、大きなモニターに出力ができます。
- ・ 7インチ以上のものは携帯するにも少し重くなる、かさばると感じる人も出てきます。
以上、卓上型拡大読書器と携帯型拡大読書器の特徴を述べました。利便性を考えると持ち運びが可能で、様々な場面で活用できる携帯型拡大読書器が良いと思われがちですが、読み書きという目的に特化した場合は卓上型が圧倒的に使いやすいです。また、携帯型の場合はバッテリーに寿命があるため、毎日使用すればバッテリーの寿命も短くなりますし、移動時の衝撃により故障も生じやすいと言えます。購入の際には目的を熟慮していただき、目的に合った機能を持つものはどれか、また、それらの機能のより使いやすいものはどれかを確かめて選ぶことをお勧めします。